日本酒の酸味について

日本酒の酸は、以下の四種類があります。

ときの舎は想う……

-酸度にごまかされるな-

コハク酸

コハク酸は、ホタテやハマグリに含まれる旨味です。
日本酒においても、旨味に演出してくれますが、
多量に含まれるとエグミに感じられます。
コハク酸は人肌かぬる燗をするとまろやかになり、
甘み・旨味が膨らみ、おいしく感じます。
低温では苦味を感じます。熱燗では、苦味や渋みがわずかに感じられます。


リンゴ酸

リンゴ酸は、リンゴ・ザクロ・サクランボ・ブドウなどに含まれる
果実的な爽やかな切れ味が特徴です。
ゼリーやジュースなど、フルーツ味の加工食品に、
酸味料として使われます。
ワインに多く含まれるさんでもありますが、
その大半はブドウ果実に含まれているものであるのに対して、
日本酒に含まれるリンゴ酸は酵母が生成します。
お酒に爽やかなキレを与えてくれます。
多すぎると酸味が刺激になります。
冷やして、爽やかな酸味が際立ちます。
冷酸といわれる仲間に入ります。

クエン酸

クエン酸は、レモン・グレープフルーツなどの柑橘類 、梅干に含まれる酸です。
こちらもリンゴ酸と同じで爽やかな酸味が特徴で、
ジュース類などの食品添加物として利用されています。
お酒に爽やかな酸味を与えます。 冷やすと、
よりおいしく感じられるようです。
女性や若年層向けに、低アルコール6〜9度の清酒や発泡性清酒といった
ライトタイプの清酒が開発されていますが、
これらの清酒には、糖類が-10から-30度と多く残っているため、
クエン酸やリンゴ酸のような爽やか系の酸を多く生成する麹菌や酵母を使用することで、
甘さと酸味のバランスをとっています。
クエン酸を多く生成する麹菌としては、
焼酎に使われる黒麹菌や白麹菌、
リンゴ酸を多く生成する酵母としては、
協会28号、77号などのリンゴ酸生成酵母があげられます。

乳酸

日本酒の酒母造りで、麹が造り出すブドウ糖に
最初に取り付き爆発的増殖をします。
結果、酒母を酸性に保ち、他の落下細菌の増殖を抑えます。
チーズやピザに多く含まれる乳酸の特徴は、
低温のとき刺激が強い不快な酸味が出しますが、
温度が上がることで柔らかな甘味をまといまとまります。
温度が上がることで旨味を感じさせる温酸の代表
乳酸を多く含む「生翫」「山廃翫」のお酒はぬる燗がお勧めです。