富山市は、江戸時代、北前船の寄港地として栄えました。
 その船には、北海道から昆布が積まれ、沖縄や台湾に運ばれ、そこからは漢方薬の原料が富山に届きました。
 富山では、それらの漢方原薬を用い、漢方薬の製造が盛んに行われました。
 作られた薬は、行商人が行李に入れ、全国の家庭を回って販売しました。
 その販売方法が「先用後利」といわれます。「置き薬」としてまず家に薬箱を置き、翌年回収して使った分だけ集金する方式です。

 このように富山は「くすりの富山」として有名ですが、そこで使われる原料のほとんどは県外、国外産で、富山由来のものはほとんどありません。
 これは。全国や世界から材料が手に入るため、面倒くさく富山県内で調達する必要もなかったのです。

 しかし「いかだ藻」は富山湾の固有冷水、立山からの湧き水が混ざり合う神通川汽水域で発見されました。
 「とやま(で作られた)の薬」に「とやま(のもので作られた)の薬」が加わるのです。

 神通川河口の汽水域で見つかった「いかだ藻」ですが、当時富山県内には培養を手掛ける企業が存在せず、そこで、大手建設会社の大林組が岐阜にあるマイクロアルジェコーポレーション株式会社と連携し、マイクロアルジェが自社で所有する沖縄県宮古島で、まず試験的培養に取りかかりました。
 現在皆様のお手元に届く「いかだ藻」は、富山で採取されたものを宮古島で培養した「いかだ藻」です。

 富山県内では、「いかだ藻」が持つ優れた特徴に着在し、下に表お示ししている企業が「いかだ藻」を使った新製品開発に取り組んでいます。

事業者 製品
吉乃友酒造 甘酒「緑のトリオ」
オオサワ いかだ藻クッキー
日の出屋製菓産業 いかだ藻あられ(2種)
梅かま 介護食品
五洲薬品 トロミ剤
ゼリー飲料
國民製薬 サプリメント
ル・ジャルダン フランス料理

これらの企業以外にも、全国展開をしている製薬企業、販売企業が『いかだ藻」を使った製品の開発、販売を検討中です。

冨山で発見され、富山の水が育てた「いかだ藻」を、富山の人、全国の人に味わってもらいたい。
そして「くすりの富山」の新たな名産としより送り出したい。

こう考えた私たちは、いかだ藻の製造、生産に携わる企業と手を携えて「いかだ藻普及会」を設立し、活動しています。

 左のイラストはシンボルマーク
 霊峰「立山」から神通川に注ぎ込んだ水が富山湾に注ぎ込み、そこで育った「いかだ藻」を表しています。
 このマークを見つけたら「富山のいかだ藻だ」とわかってください。
 
 


「いかだ藻」という富山湾と立山が育んだ優れた贈り物を富山の新しい宝としていくためには、乗り越えなければならない壁がいくつもあります。

1 「いかだ藻」という名前をより多くの人に知ってもらうこと

2 「いかだ藻」を使った商品を、多くの人に使ってもらうこと

3 富山県内で「いかだ藻」を培養すること

仕事を少し早く切り上げ東京発17時の北陸新幹線「かがやき」に乗ったYさんは、大手町にある健康食品会社の営業マン。
今日は、富山の「かいだ藻」を使った食品の覆面テスト。
「なんか不思議な名前だけど、くすりの富山の新たな名産品のようだ」という情報を仕入れ、偵察にやってきたのだ。

改札口を出て、富山の特産品が並んだお店に行く。
「どんなたくさんの品物があるのだろう」と思って入ると、そこには「ますの寿司」や「しろえび」「甘エビ」「地酒」などがたくさんならんでいる。
「いかだ藻」はないかな。と探すと、あった。「不思議の海富山湾と神秘の山立山が育てた『いかだ藻』」コーナーだ。
クッキー、あられ、かまぼこ、甘酒と並んで、化粧品などが並んでいる。

「でも、そんなに騒ぐほどでもないじゃないか」と彼は思う。
『いかだ藻』って富山にとって、それほど大事にされていないのかな」、とも感じる。

「このまま帰るのもなんだから、ちょっと町を散歩してから」と切り替えた彼は、駅近くの地元向けのスーパーに入った。
そして、そこに並んでいる加工食品を手に取って驚いた、

小麦粉、味噌、醤油、塩、加工食品、どれを見ても原材料のところに「いかだ藻」が入っている。
そばにいた店員さんに聞いてみた。「富山の人って『いかだ藻』が好きなんですね」。帰ってきた答えは、
「富山は日本一の健康長寿県です。長生きをしても認知症になったり目が悪くなったりしては人生がつまらない。でも『いかだ藻』を定期的に採れば自然と健康になれるんですよ」

「そうか。『いかだ藻』は、富山県民の生活に溶け込んでいる必需品なんだ。だから土産物がメインではないのだ」彼は気づいた。
そういえば、この間テレビ番組で「富山県は1人当たりの老人介護祉費が全国一低い」と言っていたっけ。
「『いかだ藻』が地域に溶け込んで長生きを支えている富山県って、なんて素敵なんだ。よ~し富山勤務に異動希望を出してみよう。そして移住だ」。

こうやって、また冨山への移住を決断した人が現れた。

有限会社ときの舎(ときのや)
〒930-0057 富山市緑町1-4-1(有限会社「てらしま」内)
電話 076-424-5359
Mail dummy-terashima@tokinoya.jp ※最初の「dummy-」は消してください。

富山県中小企業リバイバル補助金活用事業(令和3年9月18日作成)